私の天職、ホスピタルアートのお話をさせてください。

冷たい印象の病院に
やさしい世界を
届けるおしごと。

「ホスピタルアート」ってなあに?

ホスピタルアート。この言葉をご存知でしょうか?まだ、聞きなれない言葉かもしれません。 ホスピタルアートは、その言葉の通り、病院やクリニック、施設へアートを届ける試みです。

普段頻繁に行く場所ではないだけに、たまに母に連れられて訪れる病院という場所は、とても清潔で、壁はつるつるしていて、とても機能的ではあるけれど、生活感が感じられない印象がありました。入院していた時には、あまりにも自分がモルモットになったような気分になって、とても寂しくなったのを覚えています。

ホスピタルアートは、病院という場所であっても、心のあたたかさを感じてほしい。そんな想いから、患者のため、医療従事者のために始まったものです。欧米では20年近くの歴史がありますが、日本ではまだ始まったばかり。絵を飾る、オブジェを置く、だけにはとどまらない、院内の壁画やカラーコーディネートまで、施される領域は多岐に渡ります。

やさしい気持ちはアートなら届くかもしれない。


2015年よりホスピタルアートのアーティストとして活動を始めました。 元々、医者になるかデザイナーになるかで迷ったくらい、興味のあった医療という分野。こうして人との縁でホスピタルアートに携われるようになったのも、運命のように感じています。

はじめは患者さんが元気になるようにと思って描いていた。けれど、ディレクターに教えていただいた言葉は、「ホスピタルアートは医療従事者のためでもある」ということ。

働く場所で毎日のように人が亡くなり、精神的にも辛く、辞めてしまう方が多いこの業界で、少しでも自分の働く場所に愛着を持って欲しいという思いから、医師や看護師にも筆を持ってもらって、一緒に壁画制作をしてもらうことにしています。なぜなら、「自分がこの葉っぱを塗った」という思い出があるだけで、患者さんと話がはずみ、自分の居場所ができるから。

いろんな思いがつまったこの壁画が、20年も30年もこの場で生き続けると思うと、本当に素晴らしいお仕事をさせていただいたなと感じています。

壁画を描かせていただきました。

耳原総合病院
4階 手術室前廊下 壁画制作

13×2.6m
2016.11 制作

NPOアーツプロジェクト様からのご依頼で、 大阪にある耳原総合病院の手術室前廊下に壁画を描かせていただきました。

手術を控えて緊張と不安でいっぱいの患者さんが 少しでもほっと気持ちがほどけるようにと 空へとつながる大きなシンボルツリーと羽ばたく鳥を描きました。

オペをされる医師の先生方、看護師さんたちにも筆を持っていただいて、 ボランティアさんも含めてみんなで仕上げた壁画です。 患者さんはもちろん、そこで働くスタッフの方へも癒しを届けるプロジェクトでした。

耳原総合病院
精神科待合室 壁画制作

2.6×2.6m
2016.12 制作

NPOアーツプロジェクト様からのご依頼で、 大阪にある耳原総合病院の精神科待合室に壁画を描かせていただきました。

カウンセリング室に飾られているYuko Takada Kellerの作品と色を合わせ 水色と緑色の様々な種類の葉が茂る大きな樹を描きました。

春夏秋冬、季節によって変わる小さな丸額のイラストは、 やわらかい雰囲気を出すために布にペイントしています。 屋内であっても四季を感じてほしいという思いからです。

耳原総合病院
ICU 壁画制作

ICU内壁上部
2017.2 制作

ICU(集中治療室)は常時患者が緊迫した状態にある部屋。医師や看護師も気を張り詰めていて、面会に来たご家族は目をやる場所がない。そんな時に、ふと息ができるアートが届けられたら、と空が見える窓とハーブのイラストを描きました。

部屋の中央にある柱は、大きな木に見立て、心休まる大木に。それぞれの窓の空からは、高原や気球、虹が見えるようになっています。ハーブのイラストを描いている時、ちょうど面会に来られていたご家族の方が、私の筆の動きをじっと見つめられて、ほっと息をされた瞬間がとても印象深く残っています。

こういった特殊な場所であっても、アートが届く病院であって欲しいと感じています。

ホスピタルアート事例紹介

Hospital Art

携わってきたホスピタルアートの事例の一部をご紹介します。クリックで詳細ページへ飛べます。

見守りの樹

耳原総合病院手術室ホール

色々な葉が成る木

耳原総合病院精神科待合室

希望の空

耳原総合病院集中治療室(ICU)

花鳥風月

長岡保養園「すま居る」

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